宮吉硝子の挑戦
古庄 大樹
入社後、技術営業として、ゼネコンやガラス販売工務店などのお客さま対応、現場の調整業務に従事した後、開発1部の配属に。「未来を見据えながら、ガラスの可能性を広げ、社会課題の解決に貢献したいと思っています」。
まちのシンボルとなる大型建築に
ガラスで新たな価値を
提供価値と意義建築家や設計士からの高度な要望に技術とアイディアで応える
都心の超高層ビルや世界的ブランドのショールーム、博覧会のパビリオンなど、まちのシンボルとなる大型建築に「ガラス」を通じて貢献する宮吉硝子。建物の顔ともいえるファサードや庇をはじめ、さまざまな部位に新たなガラスの使い方を提案し、都市空間に価値をもたらしている。
近年は、建築物に使用されるガラスの大型化が進み、特殊な工法を用いた施工依頼が増加。加えて、遮光や耐熱、飛散防止など、用途に応じた性能・機能も求められるように。こうしたさまざまなオーダーに確かな技術とアイディアで応える宮吉硝子
開発1部の取り組みを紹介する。
チャレンジ平板ガラスで複雑な局面を実現するコールドベント工法への挑戦
大型建築物において、ガラスに期待される役割が高まっています。たとえば、大型でフレームレスのガラスファサードは、開放感あふれる印象的なデザインを可能にします。省エネや安全性の付加機能も重要で、建築家や設計士の多様な要望に応えるために、設計上の課題を新しい素材や工法で実現するのが私たちの役割です。
特に印象に残っているプロジェクトの一つに、2021年に手掛けた岡山大学の新校舎建設があります。大学と地域が学びあう新たな交流と共創の場として計画され、監修は隈研吾氏。このプロジェクトでは、建築教育の教材としても機能する最先端の工法が視覚的に体感できるよう設計されており、宮吉硝子は大型のガラス製庇で滑らかな3次元曲面を表現することを求められました。当初はガラスの曲げ加工を行うことも検討しましたが、コストや工期が合いません。この課題をクリアするために新たに採用したのが「コールドベント」という工法です。これは、平板のガラスパネルを建設現場で少しずつ曲げながら調整して取り付けることで、全体としてダイナミックで滑らかな3次曲面を実現する技術。曲げ加工が必要ないため、コスト効率が高く、施工期間も短縮できるというメリットもあります。この工法は海外では実績があるものの、当時の日本ではまだ数えるほどしか実績がなく、宮吉硝子としても初の提案でした。
成果さまざまな条件下で安全性を検証、万全の体制でプロジェクトを成功へ
コールドベント工法のノウハウは社内にあったものの、実際に建物へ適用するのは初めてで、正直不安もありました。積雪やメンテナンス時の荷重など、さまざまな条件下での強度や安全性を検証。高度な施工を確実に行うため、熟練の職人を配置するなど、万全の体制で臨みました。その甲斐あって新校舎は無事に完成。達成感と安堵を感じたことを覚えています。
宮吉硝子では、建築家や設計士から寄せられるさまざまな要望に対して、長年培った技術とノウハウで応えることはもちろん、ガラス建材のフルオーダーで柔軟に対応できることも強みです。既製品の組み合わせでは不可能な設計プランも、フルオーダーであれば実現可能性が広がります。さらに、宮吉硝子グループの総合力を活かし、海外商材の調達・輸入、海外工場での生産も可能。製造から品質チェック、輸入にいたるまで、弊社スタッフが責任を持って管理を行い、「高品質の製品を適正コストで調達できる」と高い評価をいただいています。
展望目指すのは、未来を見据えたガラスのソリューション
新しい素材や工法の開発に取り組む一方で、環境問題や省エネルギーといった社会課題への対応も、私たちに課せられた重要な使命だと考えています。私自身が常に心掛けているのが「何事も諦めない」姿勢。どんなに困難な課題にも社内のメンバーや協力会社と力を合わせて取り組み、「どうすれば実現できるか」を追求しています。こうした取り組みが、新たな価値を創造し、社会課題の解決につながると信じています。